mono-logue

2013年11月13日 09:36

 

プロデューサー、ちょっとロスまで来てみました。その3

文/三宅はるえ

Casting:ハイテクなオーディション

MARTINI_ROYALE_CASTING_FINAL,_PESSIONE,_ITALY_(3).jpgオーディション風景(イメージです)
 帰国した現在、目下キャスティングの真っ最中なので、今回はロスでのキャスティングについてちょっと書いてみようかと......。

 フィルムスクールのプログラムが夜間だったので、昼間はわりと自由な時間。その時間を利用して、キャスティングの仕事をしている方のところで手伝わせてもらうことに。昨年ロスに行った際に小耳にはさんだ、ネットを駆使したキャスティングというのがずっと気になっていたのだ。

 ロサンゼルスで目にしたのは、とにかくオーディションの世界だということ。毎日毎日オーディションが行われていて、役を勝ち取るかどうかは俳優の力次第。いわば実力主義で、それだけ俳優陣の層も厚い。日本だと事務所システムも違ったり、オーディションがアメリカほど頻繁でなかったりして、俳優に実際会わずにキャスティングされることもあったりする。もしくは、過去のお芝居はみたことあるけれど、実際撮影する作品での演技を見ないまま、現場を迎えることもあったりする。エンタメ業界の土壌が違うこともあるのだろうけど、なんだかこのキャスティングのあり方は単純にとてもフェアに思えた。

 そして、これら膨大な数のオーディションへのアクセスは、オンラインシステムを通して行われている。ロスのほとんどの俳優はこのサイト(ニューヨークなど他の都市にもある)に登録していて、そのサイトを通してオーディション情報を得たり、申し込んだり、連絡をとったりする。登録しているプロフィールもかなり細かく、人種、髪の色、目の色といった日本ではあまり見かけない項目もあれば、逆に年齢はわからないようになっていたりする。

 オーディションの流れ自体は、アメリカも日本も、さほど変わらない。

1 キャスティング担当者が作品概要、募集配役情報を公表する。
   ↓
2 エージェント、マネージメント、俳優がチェックして該当の役に申し込む。
   ↓
3 キャスティング担当者が選考し、オーディションに呼ぶ。
   ↓
4 エージェント、マネージメント、俳優がコンファームする。
   ↓
5 オーディション当日、俳優が来る。

 この流れが、オンラインシステムを通すと24時間以内にオーディションが可能だったりする。前日の昼に情報を出したオーディションが、膨大なリストから候補者がセレクトされた上、翌日の朝10時には組めてしまったりするのだ。事実、マネージメント陣は本当にこまめにオーディション情報をチェックしているし、キャスティングの方の中にはネット社会ゆえか来社や電話問い合わせNGという方もいたりする。その、圧倒的な効率の良さとスピード感に驚いたのだけれど、違いはこれだけではなかった。

 オーディション自体もストリーミング中継されていて、5秒遅れくらいでプロデューサーや監督たちが別場所でチェックできるようになっている。初期のオーディションには監督が立ち会わないことも多い。そんな場合でも、例えばネットを通して見ていた監督が、オーディションの途中でも別の芝居をしてほしいとリクエストすれば、数人後くらいからは、その要望がかなえられたりする。

 このシステムを日本にも早く導入できたらいいなぁと思う。日本にも同じシステムがあれば、ロスにいなくってもオーディションを受けることができる。もちろん海外で頑張っている日本人俳優もたくさんいるのだけれど、海外作品に出演する俳優陣が限られるし、いつも同じ顔ぶれ、という印象は否めない。語学の問題はもちろんあるけれど、募集されているオーディション情報を日本から知る事ができ、参加することができれば、間口は少し広がる気がするのだ。

 そんなことをいいつつ、台本閲覧をして、日々事務所の方が来て、プロフィールを紙で受け取って、と相変わらずアナログなキャスティングをしている私......。

 道は険しいけれど、まずは"オーディションをできるだけ行う"ことから取り入れていくのだ!

 続く。