mono-logue

2013年7月11日 12:43

 

川口に花街と舞妓さんが出現!?
その正体は、あの監督の待望の新作だった

文/金田裕美子
橋1.jpg 立派な橋も、もちろんセット
 埼玉県川口市、ついこの間までだだっ広い空き地だったところに、突如古い日本家屋の町並みが出現した。ここは映像関連施設が集まるSKIPシティの一画。以前にも、山田洋次監督の『母べえ』や、成島出監督の『聯合艦隊司令長官 山本五十六』のオープンセットが組まれたことがある。今回は時代劇? と思いきや、よく見ると建ち並ぶ家屋には今風な部分もある。どうやらこれは現代の京都の町らしい。それにしてもこれだけの大掛かりなオープンセット、よほど規模の大きな作品に違いない。一体何の映画――?

 答えは、周防正行監督の『Shall weダンス?』以来17年ぶりのエンタテインメント大作、『舞妓はレディ』。どうしても舞妓になりたくて、京都の老舗のお茶屋で見習いとなった少女・春子の奮闘と成長を、歌と踊りたっぷりに綴るミュージカルだ。約3000平方メートルに及ぶこのセットは、春子を引き取るお茶屋・万寿楽(ばんすらく)のある花街・下八軒の町並みで、お茶屋やレストランなど17軒の店や神社、そして幅7メートル、長さ70メートルの川まで作られている!

 このオープンセットで7月9日、『舞妓はレディ』の製作発表記者会見が行われた。約800人の応募者の中から見事、春子役を射止めた15歳の上白石萌音は、万寿楽から舞妓姿で登場、10人の芸妓たちと共に劇中さながらの踊りを披露した。

 「小さい頃から歌や踊りが大好きで練習してきましたが、この映画のために日本舞踊と鳴り物、方言のお稽古をしました。大好きになった日本舞踊はこれからも続けたいと思います」と上白石が言えば、お茶屋の女将・千春役の富司純子は、「日本舞踊は小さい時からやらないと難しいんですが、萌音ちゃんは本当に上手に踊っていました。相当稽古して、努力したんだなと感心しました」と絶賛。富司自身も、歌を披露するシーンが3か所あり、現在ボイストレーニングに励んでいるとか。

m3.jpg 左から周防正行監督、"センセ"役の長谷川博己、春子役の上白石萌音、女将役の富司純子
 20年前からこの企画を温めていたという周防監督は、上白石が主演に決定してから彼女のイメージでシナリオを書き上げていったとか。「その時の僕のイメージを、現場の彼女は遥かに超えていましたね。新人だし苦労するかなと思ったんですが、僕の方が助けてもらいました。最初に企画した頃には彼女はまだ生まれていなかったのに、こういう子と出会えるんだな、と不思議な感じがします」。

 鹿児島弁と津軽弁、両方の訛りのある春子を、言語学者の"センセ"が京言葉を話す立派な舞妓に育て上げようとする――というお話は、タイトルからもわかるように名作ミュージカル『マイ・フェア・レディ』が下敷きになっている。オープンセットに作られた店の名前が「ヘギンズ」(『マイ・フェア・レディ』に登場する言語学者はヒギンズ教授)だったり、「ピグワリオン」(『マイ・フェア・レディ』の原作戯曲は「ピグマリオン」)だったりと、細かいところに遊びがたくさん隠れているのも楽しい。

 撮影終了後にセットが解体されてしまうのは何とも惜しいが、7月12日(金)から開催される「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013」の期間中、映画祭特別企画として7月15日(月・祝)、16日(火)、21日(日)の3日間、オープンセットの見学会が実施される。このセットの豪華さ、楽しさには、誰もがわくわくするはず。このチャンスを逃したらもったいない! 見学会の詳細はこちら

 『舞妓はレディ』は2014年秋、全国東宝系公開。まだちょっと先だけど、こんなふうに映画の一部をチラ見せされたら、期待はどんどん膨らむばかりだ。

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