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2012年10月24日 23:25

 

後継者育成へと繋ぐ文化庁映画賞贈呈式

文/河西隆之
 日本の映画芸術の向上とその発展に資するために設けられた平成24年度文化庁映画賞贈呈式が20日(土)、東京・六本木ヒルズのグランドハイアット東京にて行われた。今年度は優れた文化記録映画作品を顕彰する「文化記録映画部門」に3作品、永年にわたり日本映画に貢献し、顕著な業績をあげた人物に贈られる「映画功労部門」に6名が選ばれた。

 文化記録映画部門では、児童養護施設を題材に採り上げた刀川和也監督の『隣る人』が大賞を獲得。壇上に上がった刀川監督は、「なにより感謝を述べたいのは、映画の舞台となった児童養護施設『光の子どもの家』の方々です。そこで働く職員の方々、そこで暮らす子どもたち、そして親御さんたち。僕の映画ということよりも、その方々が一生懸命生きているということがこの映画を通して人の心に届き、なにがしか心を揺さぶるものになったのではないかと思います」と関係者に深く感謝するとともに、受賞理由を推測した。

 映画功労部門は、『うなぎ』や『HANA-BI』どの映画タイトルデザインを長年にわたって手がけてきた赤松陽構造ら6名が受賞。各界の大御所が顔を揃えただけに、後継者育成について触れるスピーチが目立った。受賞者のひとり、『一枚のハガキ』などで音響効果を手がけてきた佐々木英世も、「後輩たちがこの映画界でかなりがんばっております。しかし音響効果というものは、意外と知らない方が多いのではないでしょうか。その辺もアピールしながら、これからも後輩たちの育成に尽力していきたい」と受賞を機にさらなる業界発展への意気込みを語った。

■平成24年度 文化庁映画賞受賞一覧■

【文化記録映画部門】

■文化記録映画大賞
『隣る人』
監督:刀川和也
製作:アジアプレス・インターナショナル

■文化記録映画優秀賞
『医(いや)す者として~映像と証言で綴る農村医療の戦後史~』
監督:鈴木正義
製作:株式会社グループ現代

『沈黙の春を生きて』
監督:坂田雅子
製作:坂田雅子、株式会社シグロ
【映画功労部門】

赤松陽構造(映画タイトルデザイン)

明田川進(音響監督)

井関惺(映画製作)

佐々木英世(音響効果)

芝山努(アニメーション監督)

林隆(映画美術監督)