mono-logue

2012年6月26日 12:18

 

韓国ショービズ界の底力をミュージカルに見た
「Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー」上陸

文/関口裕子
jtr_m01.jpg6月25日に東京で行われた「Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー」の記者会見。熱いぜ!
 1888年に英国ロンドンで起きた連続殺人事件をモチーフにしたチェコ製スリラー・ミュージカル「Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー」が、なんと韓国からやってくるという。

 チェコでの初演は2006年のカリフ劇場。この作品を、音楽と回転ステージであることを除く約95パーセントを韓国で再創作したものが、今回日本初上陸となる「ジャック・ザ・リッパー」なのだそう。

 なにしろ興味深いのは、韓国のミュージカル界のシステム。ミュージカルを専門にしている製作会社・配給会社が10社前後あり、それぞれが欧米の作品とライセンス契約を結び、大規模な舞台を展開している。韓国内のミュージカル市場は厳しいと言いつつも、各社が活躍する余地はあるようだ。韓国のエンタテインメント・ビジネスニュースでは、作品ごとの最終ボックス・オフィスはもちろん、客席の占有率なども日報されており、日本の演劇シーンとは異なるショービズの世界が確立している。それら製作会社は、欧米で(演劇のマネジメントを)学んだ方々によって運営されているケースが多く、彼らの多くは30代。そして既に後進の育成にも余念がない。

 さて、チェコのミュージカル。韓国に上陸したのは1998年の「ドラキュラ」が最初。以来、「ハムレット」「クレオパトラ」「三銃士」と続き、「ジャック・ザ・リッパー」で5作品目。「ハムレット」と「三銃士」はヨーロッパに続き、韓国でも大ヒットを記録し、特に「三銃士」は約ひと月の公演期間中の平均客席占有率90%を記録したという。

 「ジャック・ザ・リッパー」は、「三銃士」を成功させたエム・ミュージカルの作品。同社の得意とするのは、「原作を損なわない範囲内で興行を行う国の特性を活かす」こと。ブロードウェイやウエストエンドの作品は、表現上の縛りが強く、国ごとの特性を理解してもらうのは困難だと言うが、チェコとの契約はかなりフレキシブルで、韓国で再創作された部分を自国の公演で取り入れることさえあったようだ。

 韓国のミュージカル製作会社の次なる目標は海外進出。エム・ミュージカルも同様で、ライセンス販売や共同公演などで、よりよい海外パートナーとの提携を常に心がけている。2007年には創作ミュージカル「愛は雨に乗って」の日本へのライセンス販売を成功させている。

 「ジャック・ザ・リッパー」はまさに、「長年にわたり、交渉を続けてきた最高のパートナーたちとの提携」となったとエム・ミュージカルは自国のメディアに明かしている。「単純なライセンス販売で終わるものでも、どちらかが優位性を以て進めていくものでもなく、本当に共同で創り上げていくプロジェクト」だと。

 その本気度を示すのは俳優のキャスティング。ダニエル役にアン・ジェウク、オム・ギジュン、ソンミン、ソン・スンヒョンのクアドラプル(4人)キャスト、ジャック役にシン・ソンウ、キム・ボムレのダブル、アンダーソン役にユ・ジュンサン、イ・ゴンミョン、ミン・ヨンギのトリプルと、韓国公演時の最高のキャストに、日本で人気のK-POPシンガーを新たに加えた、ミュージカル・ファンから韓流ファンまで全方位型を敷いている。

 このところ韓流ミュージカルの日本招聘が顕著になってきているが、「ジャック・ザ・リッパー」の公演はその試金石となるのではないか。記者会見を一緒に聞いていた弊社社員が、「こりゃ、大ヒットするかもしれないね」とつぶやいていた。いや、すでに韓国公演に日本人観客を呼ぶ力のある作品なんですけどね。

 ちなみに特別協賛のセシールでは、バックステージ見学ツアー付きのSS席(7月13日から8月20日のキャンペーン期間中に1万円以上買い物をしてエントリーした方から抽選)のプレゼントなども行うとのこと。バックステージを見ると余計に芝居との距離が近くなるので、ファンの方にはおすすめです。詳細は http://www.cecile.co.jp/ でご確認ください。


■ミュージカル「Jack the Ripper ジャック・ザ・リッパー」 韓国語上演(日本語字幕あり)
■日程:2012年9月16日~10月8日
■会場:青山劇場(東京)
■主催:M Musical Art/韓流ぴあ/サンスポ韓Fun/Quaras
■特別協賛:セシール 
■出演:アン・ジェウク/オム・ギジュン/ソンミン/ソン・スンヒョン/シン・ソンウ/キム・ボムレ
■チケット:2012年8月25日(土)一般発売
 オンラインチケット(http://jack-the-ripper.jp/
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■お問合せ:サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(10:00~19:00)
        Quarasエンタメ事務局 E‐mail:ticket-info@quaras.co.jp