mono-logue

2012年6月 7日 23:26

 

映画祭のその先へ......。
若手クリエイターの登竜門を標榜する
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭

文/河西隆之
skip0607_m.jpg映画祭が若手クリエイターの登竜門へと成長してきていることを誇る上田清司埼玉県知事
 デジタルシネマ(Dシネマ)に焦点を絞った国際映画祭「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」の開催記者発表が7日(木)、都内にて行われ、2012年7月14日(土)から22日(日)の9日間にわたり、埼玉県川口市のSKIPシティにて開催されることが発表された。

 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、Dシネマに注力した国際映画祭という点ばかり注目されがちだが、同時に新人監督の発掘と育成に注力している点も見逃せない。コンペティション部門の応募要項に「劇場公開用長編映画の制作数が3本以下の監督」との規定を入れるなど新人作品を積極的に取り上げるほか、支援にも進んで取り組んでいる。09年には"SKIP シティアワード"を新設。受賞者にSKIPシティの機材、施設を一定期間無償で利用できる権利を与え、制作をサポートしている。さらに11年には、映画祭応募作品のなかからノミネート作品を中心に選出した1作品を全国の映画館で上映する"SKIPシティDシネマプロジェクト"をスタート。制作から上映まで、映画祭のその先をも見据えた活動を行なっているのだ。

 "SKIPシティDシネマプロジェクト"の第1弾作品に選ばれたのは、10年に長編部門コンペティションにノミネートされた岸建太朗監督の『未来の記録』。11年5月から7月にかけて東京の新宿武蔵野館をはじめ、大阪のシネ・ヌーヴォなど全国5館で上映された。第2弾には昨年の長編部門でSKIPシティアワードを受賞した小橋賢児監督の『DON'T STOP!』が選ばれ、9月8日(土)より新宿武蔵野館での公開が決定。順次、全国公開が予定されているという。

 記者発表にて登壇した実行委員会会長を務める上田清司埼玉県知事は、「このDシネマ祭で何らかの賞を取った方々が、その後ほかの映画祭で大変大きな賞を取られたり、日本を代表する若手監督として大変活躍されているのを誇りにしている。まさに(第1回開催)当初私達が狙ったクリエイターの登竜門になってきた」と映画祭の成果を自負。

 同じく登壇した実行委員会副会長の岡村幸四郎川口市長は、映像による読み書き能力を子どもたちに身に付けさせる映画祭関連企画"カメラクレヨン~親子で楽しむ映画の世界~"について触れ、「映像クリエイターになる卵の段階。つまり小学生、中学生の子どものうちからメディアリテラシーの教育を行なっているということを改めて皆さんにご理解頂きたい。この5年間で(映画祭の会場にもなっている)SKIPシティに来場し、メディアリテラシーを勉強した埼玉県内の小中学生は18万人にもなろうとしている」と、新人監督に至る道程をも支える映画祭であることを強調した。

skip0607_02_m.jpg『青木ヶ原』(C)新城卓事務所
 今年、長編部門(国際コンペティション)にノミネートされたのは、海外作品9本、国内作品3本の計12本。「劇場公開用長編映画の制作数が3本以下の監督によって、デジタルで撮影・編集された70分以上の長編作品」の規定に沿って応募された571作品が、世界84の国と地域から寄せられた。映画祭のオープニングを飾るのは、石原慎太郎が製作総指揮、原作、脚本を務めた新城卓監督の『青木ヶ原』。同作はデジタルシネマの新作をいち早く紹介するプログラム「Dシネマの潮流2012」にて上映され、本映画祭が世界初上映となる。

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